シュリンク(熱収縮フィルム)包装について

シュリンク(熱収縮フィルム)包装について、使用するメリットや選び方、シュリンク包装機などを紹介します。

シュリンク(熱収縮フィルム)包装とは

シュリンクとは、縮む・縮小するなどの意味を持つ単語です。シュリンク(熱収縮フィルム)包装とは、熱を加えると縮むフィルムの性質を利用して容器の形に沿って収縮させる包装のことを指します。

PETボトルのラベルや書籍、CD、DVD、化粧品、生活用品など幅広い製品に使用されています。シュリンク包装を行うと製品の形状に合わせてぴったりフィットするため、製品をしっかり保護できます。また、多くの場合で印刷が可能です。

シュリンク包装のメリット

シュリンク包装を行うメリットには、まず作業の効率化が挙げられます。例えばヨーグルト3個ずつなど複数の製品をまとめることができ、大きさの異なる製品でも一緒に包装することが可能です。

また、透明感と光沢性に優れているので鮮やかな多色印刷を行うこともできます。表示面積が広いため、商品のPRがしやすいでしょう。耐寒性や耐水性も高く、キズや汚れ、製品劣化、色あせなどから製品を守ります。破ければ元に戻らないので、新品や未開封の証明にもなります。

シュリンク包装のデメリット

シュリンク包装は、商品の保護や美観の向上を目的に広く使用されている包装方法です。この方法では、熱収縮性フィルムを商品に密着させることで、包装が商品の形状に合った状態に仕上がります。しかしながら、その多くの利点の裏側には、認識しておくべきいくつかのデメリットがあります。シュリンク包装のデメリットを具体的かつ詳細に解説し、それに伴う課題と解決策についてもまとめました。特に、シュリンクフィルムを導入したい業者の視点から、適切な選択を支援する情報を紹介します。

包装材の破損リスク

シュリンクフィルムは、その性質上非常に薄く設計されており、軽量化やコスト削減に優れる一方で、外部からの衝撃や摩擦に対して脆弱です。輸送中や取り扱い時に破れたり、穴が開いたりするリスクが高まります。例えば、角張った商品や重い商品をシュリンク包装する場合、フィルムが引き裂かれる可能性が上がります。この問題を軽減するには、厚みのあるフィルムを選択したり、特定の商品の形状や重量に適したフィルム材質を使用することが有効です。また、依頼先の業者がどの程度多様なフィルム材を扱っているか確認することも重要です。

時間経過による自然収縮と変形

シュリンクフィルム、特にポリ塩化ビニール(PVC)製のフィルムは、時間の経過や温度変化によって自然に収縮することがあります。この現象は、包装の見栄えを損なうだけでなく、商品の寸法や外観に影響を与える可能性があります。特に、食品や化粧品といった外観が重要な商品では、消費者の購買意欲を低下させる要因となり得ます。信頼できる業者に依頼し、使用するフィルムの品質や保管方法に関する提案を受けることで、このリスクを抑えることができます。

環境負荷の問題

シュリンク包装で使用されるフィルムは多くの場合プラスチック製であり、その中でもPVCやポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などが一般的です。しかし、これらの素材はリサイクルが難しい場合があり、廃棄時に環境負荷をもたらす問題があります。特に、PVCは燃焼時に有害な物質を発生させることが知られており、近年では使用を控える動きも見られます。環境負荷を軽減するには、リサイクル可能なフィルム材質を提供できる業者を選ぶことが重要です。依頼前に、業者が使用する素材とその持続可能性への取り組みについて確認してください。

専用機械の導入コスト

シュリンク包装を実現するためには、専用の包装機械が必要となります。小規模な手動式の包装機から、大規模なトンネル型シュリンク包装機まで、選択肢はさまざまですが、特に自動化された設備は初期投資が非常に高額になる傾向があります。このため、多くの業者がシュリンク包装の外注を選択しています。外注業者を選ぶ際には、機械の性能や加工能力、対応できるフィルムの種類について確認し、自社のニーズに合ったサービスを提供しているかを判断することが必要です。

熱に弱い商品への適用困難

シュリンク包装は熱を利用してフィルムを収縮させる方法であるため、熱に弱い商品には適していません。例えば、チョコレートやワックス製品など、熱によって品質が損なわれる可能性のある商品は、シュリンク包装を使用する際に特別な配慮が必要です。この問題を解決するには、低温収縮可能なフィルムを提供できる業者を選ぶか、商品そのものを包装前に適切に冷却するサービスを提供する業者を探すことが有効です。

空気を含む商品の変形リスク

パンやケーキなど、空気を多く含む商品の場合、シュリンク包装による加熱と収縮の工程で商品が変形するリスクがあります。これにより、消費者の期待に応えられない形状となる可能性があるため、注意が必要です。空気抜き機能付きの特殊な包装機やフィルムを採用している業者を選ぶことで、このリスクを軽減できます。

デメリットを克服するためには

シュリンク包装のデメリットは、適切な業者の選択と対策を講じることで多くの場合克服することが可能です。例えば、商品の特性に合ったフィルム材質を提案できる業者や、環境負荷を軽減するためのリサイクル対応素材を扱う業者を選定することで、課題の多くが解決されます。また、包装前の商品の検証やサンプル製作を依頼できる業者を活用することで、問題の発生を未然に防ぐことができます。

シュリンクフィルムの依頼先を選ぶ際は、単に価格や納期で判断するのではなく、技術力や素材の多様性、環境への配慮など、総合的な観点で検討することが重要です。これにより、商品の品質を保持しつつ、コストと環境負荷の両方を抑えることが可能となります。

シュリンクフィルムの選び方

製品の特性に合わせて選ぶ

シュリンクフィルムを選ぶ際には、包装する製品の特性に合ったものを選ぶことが大切です。例えば硬くて鋭利な角がある製品ならば、耐引裂性の高いフィルムを選ぶようにしましょう。食品などの場合は衛生面を考慮し、食品安全規格に適応したフィルムを選ぶ必要があります。

使用環境を考慮する

フィルムを使用する環境を考慮することも重要です。高温多湿や低湿など、その環境に適応したフィルムを選ぶようにしましょう。適したフィルムを選定することで製品の品質を保つことができ、長期的なコスト削減にもつながります。

シュリンク包装の用途について

シュリンクフィルムは製品にぴったりとフィットするため、製品の外観を整え美観を高めます。店頭での視認性が向上し、消費者の注目を引きやすくすることに活用できるでしょう。

また、フィルムが製品に密着することで衝撃や振動による破損のリスクを抑えることにも利用できます。

シュリンク包装機について

シュリンク包装機は、シュリンク包装を行うための機械です。フィルムを製品の周囲に密封させて熱により収縮、製品に密着させるというプロセスを通じて動作する機械で、多岐に渡る業界で使用されています。シュリンク包装機を活用することで製品のパッケージング業務の効率化させ、最終的な品質向上を目指すこともできるでしょう。

シュリンク包装機は、まず製品をポリオレフィン・PVC・ポリエチレンなどの熱収縮性プラスチックフィルムに包むことから始めます。次に包装された製品に熱を受けさせ、フィルムの収縮で製品に密着させます。包装機の操作は比較的容易で、適切なトレーニングを受ければ誰でも操作可能です。

シュリンク包装機の種類

トンネル式

トンネル式シュリンク包装機とは、シュリンクフィルムで包んだ製品を熱風が吹いているトンネルに通す方法です。均一的に熱を当てることが可能で、キレイにシュリンクすることができます。シュリンクさせる方法には、蒸気式と熱風式、熱旋風式があります。

近年増えているのが熱旋風式(トルネードシュリンク)で、四方向から熱風を吹き出して竜巻のように渦を作り全方向から一瞬でシュリンクさせることができます。ムラがなく美しい仕上がりとすることが可能です。

ドライヤー式

ドライヤー式シュリンク包装機は熱風式で、製品が入ったシュリンクフィルムにドライヤーで熱風を当てて収縮させる方法のこと。トンネル式より導入コストはかかりませんが、シュリンクするのに多少手間と時間がかかります。

省スペースで活用することができ、少数生産に向いています。また、トンネル式に入らないものや形状が複雑なものにも対応可能です。ただし、ドライヤーを手で持ちながら熱を当てるため、シュリンクにムラが出てしまいます。

シュリンク包装機の価格

シュリンク包装機の価格は、サイズや機能、出力速度などにより大きく異なります。数万円~数百万円と幅広く、高性能の機種ほど高額です。ただし、生産効率と長期的なコストを考えると、購入する価値は十分にあるでしょう。

シュリンク包装を行いたい場合機器を購入するべき?

シュリンク包装が必須の製品を毎回製造しているのなら、シュリンク包装機の購入を検討してもよいでしょう。ただし、試作品作成や注文が不定期な製品の場合は、フィルムの加工メーカーへ依頼した方が効率的かもしれません。製造する製品や機器の価格など、トータルのコストを考えて選ぶべきです。

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