フィルム・テープに関する技術や基礎知識をまとめました。太陽光パネル・EV自動車の特徴などを解説します。
太陽光パネルは雨風や紫外線、太陽の熱に常にさらされているため、故障や破損のリスクを軽減するフィルムが求められています。
太陽光パネルには、バックシートや太陽電池用封止シート、光触媒防止フィルムなどが採用されています。表面の汚れや傷から保護し、裏面の湿気や紫外線のダメージからもフィルムを使用することで守ることが可能です。
EV自動車においては、センサー部分やパネル部分など、さまざまなパーツにフィルムが使用されています。
EV自動車に求められているのは、軽量化と薄型化です。フィルムを使用するころで部品を保護しながらも、軽量化と薄型化による燃費の向上も期待できます。EV向けの加飾フィルムなどは軽いだけでなく、塗装では再現が難しい自動車の金属感も再現することが可能です。
位相差フィルムとは、液晶ディスプレイのバックライトの光が光学的ズレを起こすのを補償するために開発されたフィルムです。有機ELディスプレイにも使用されており、直線偏光板と位相差フィルムを組み合わせた円偏光板を用いることで、外光反射を低減させます。
位相差フィルムには大きく分けると「延伸法」と「塗布法」の二種類があります。
ガスバリアフィルムには、製品の品質を維持する役割があります。酸素や水蒸気を通しにくい機能が備わっており、機械部品や電気、医療医薬品など、さまざまな分野に使用されています。工業製品を湿気から守る際にも、ガスバリアフィルムが有効です。
透明なプラスチックフィルムのバリア性を強化するために、ガスバリアフィルムを重ねて使用するケースもあります。
高機能フィルムの多くは、プラスチックと異なる素材のフィルムを貼り合わせたり、コーティング剤などを用いて製膜することで機能を付与したフィルムです。耐熱性・遮光性・防湿性・耐衝撃性・耐寒性などに優れており、さまざまな分野・製品に使用されています。
高機能フィルムは用途の幅が広いため、今後も需要の拡大と成長が期待されるでしょう。
単体で、接着・導通・絶縁の重要な3機能をあわせ持っているフィルムです。種類が複数ありますが、今現在幅広く用いられているのは、そのほとんどが、熱硬化性樹脂を使用したタイプの異方導電フィルムです。ただ、高温になると熱硬化反応が始まってしまうという特性があるのでので、保管方法は冷蔵保管に限られるなど、注意点もあります。
プラスチックフィルムをもとに加工されたフィルム状の電気ヒーターです。導電部に電熱線を用いるものと面で発熱するタイプがあり、加工方法によって透明性や視認性、柔軟性、昇温速度に違いがあります。透明性や視認性が高いフィルムヒーターは、自動車のリアガラスやサイドミラーの結露や曇り防止などに役立てられています。
耐熱テープとは、名前の通り耐熱性が高い粘着テープです。高温の環境でも劣化しにくく、粘着性や強度を維持する特長を持っています。耐熱性のほかにも耐油性や防水性、絶縁性などを持たせることができ、ダクトやコンロなどキッチン回りや電子機器の補修、車のエンジンルームやマフラーなど、身近なところで使われています。
太陽光や蛍光灯などの光を蓄えて放出させる蓄光顔料の性質を利用し、暗闇で光る粘着テープです。電気を使わないことから、災害時や停電時の目印を中心に、さまざまなシーンで使われています。製品によって発光時間に違いがありますが、規格を満たした蓄光テープは長時間輝度を維持することが確認されており、防災用品として有効です。
低VOCテープは、揮発性有機化合物であるVOCの含有量が低減されており、環境や人体に配慮されたテープです。
人や環境にやさしく揮発性物質の臭いが少ないため、屋内や社内で多々使用されています。低VOCテープなら安全性が高いため、シックハウス症候群を引き起こしにくいといわれています。テープには柔軟性があるため、工事の現場でも使用されます。
船舶などの保護には、船底保護用のフィルムを使用します。
船舶保護用のフィルムは、フジツボなどの海中生物から船を守るのに有効です。透明のフィルムなのでデザイン性にも優れており、簡単に貼ったり剥がしたりできます。フィルムを貼ることでフジツボの付着や汚れを防げますが、万が一付着しても簡単に落とせます。
農業で使用されるフィルムには、反射シートや保温・防虫シートなどがあり、食物の栽培をサポートしています。
農業用フィルムの多くは、農業用塩化ビニルフィルムが多く使われています。近年は生分解性フィルムも登場しています。生分解性フィルムは土中で分解されるため、回収の手間がかからず環境にやさしいのが特徴です。
光拡散フィルムは、スマートフォンやテレビモニター、各種検査機器などさまざまな製品に取り付けられており、光を拡散・均一化させる効果を持っています。3つの要素というシンプルな構成でありながら高い性能を有しているのが特徴です。
粘着層の保護などを目的に、電子機器の基盤や粘着テープなどに貼り付けられている剥離フィルム。剥離剤にはシリコーン、ノンシリコーン、フッ素含有シリコーンなどがあり、それぞれ特徴が異なるため、ポイントを押さえておくのが重要です。
電圧の仕組みを利用し、透明度を変えられるようにしたフィルムです。スイッチのオンオフによる簡単な切り替えが可能な商品が市販されており、映像投影用の画面として、あるいはパーテーションなどとして、活用されています。
家電や電気自動車、蓄電システム、さらには小惑星探査機など、幅ひろい分野で利用されているコンデンサです。DCバイアスの影響を受けにくく、また、無極性であるため交流電源でも使えるなど、注目すべき特性をそなえています。
デジタル機器にとって必要不可欠な存在となっているフレキシブル基盤。「FPC」と表示される部品です。柔軟性と耐久性の両方をそなえているため、使い勝手が良いですが、静電気に弱いという注意点もあります。
スパッタリング法で薄膜形成をする際には、反りにくく、強度が高く、さらに用途に適したスパッタリングターゲットを選定する必要があります。スパッタリング技術は進化を続けており、現在では、例えば超微細孔の中に薄膜をつける方法も確立しています。
VRデバイスには、ユーザーにさらに現実世界に近い感覚を与えられるようにするためのフィルムが用いられています。ヘッドマウントディスプレイの反射をおさえられる反射防止フィルムなども開発されています。
液晶ディスプレイなどに使用される蛍光体フィルム。青色LEDの光をムラなく白色へと変換することが可能です。また、LED packageの進化により、ちかごろでは、PKG内に銀が含まれていないpackageも登場しています。
反射防止フィルムは光の反射をおさえたい部分に使用されるため、液晶モニターや車載ディスプレイなどに使用されることが多いです。また、車の内装に「ピアノブラック」を取り入れたいと考えている方が増えており、そのニーズにも応えています。
ネットワークを流れるデータ量の爆発的な増加にともない、高速伝送へのニーズが高まっています。そのため、高速伝送用途に対応可能な、PPSの特徴を維持しつつしかも低誘電率化されたフィルムの開発が急がれています。
自動車の窓などに貼って利用するフィルムアンテナ。ちかごろでは、アンテナパターンが見えにくい透明フィルムアンテナも登場しています。曲面やカーブのある形状にも貼り付けられるなどの特徴があります。
シュリンク(熱収縮フィルム)包装とは、熱を加えると縮むフィルムの性質を利用して容器の形に沿って収縮する包装のことです。シュリンク包装は製品の形状に合わせてぴったりフィットするので、製品をしっかり保護できます。
偏光板保護フィルムの目的は、製造工程や輸送時などに付く傷や異物から偏光板を保護することです。パソコンやスマートフォンなどのディスプレイ製造工程において、多くの場合で偏光板保護フィルムが使われています。
電磁波シールドは、電磁波が特定の空間や装置に浸透したり干渉したりすることを防ぐための資材や技術のことです。さまざまな分野において電子機器やシステムを保護し、正常に機能するために重要な役割を果たしています。
ナノインプリントとは微細加工技術のひとつで、基板上に塗布した樹脂膜をパターンが刻まれたモールドでプレスし、ナノメートル単位のパターンを転写します。単純なプロセスでナノサイズの加工が可能で、使用する装置も簡易です。
サメ肌フィルム(リブレットフィルム)は、サメの皮膚構造を模倣して設計された微細構造を持つ特殊な技術で、燃料消費量削減や環境負荷軽減を可能にします。航空機や自動車への導入事例、技術的背景、適用範囲について解説し、この技術がもたらす可能性と未来への展望を示します。
公差実力値±0.05mm程度(素材・形状による)
社内保有素材の場合は最短即日納品可能(目標6時間)
自社開発の生産設備を多数持ち、金型・治工具の内製化ができる体制により、開発・試作~量産と、製品開発を段階ごとにサポートできる。
今後、より求められる技術ニーズを捉えた、フィルムや金属箔などの加工実績があり、歩留まりの改善・難加工材への対応を実現。
±0.05~±0.3
場合によって即日対応するケースあり。通常、納期の目安は平均1週間程度。
ISOクラス1(1m²に0.1ミクロンのホコリが10個以下)のスーパークリーンルームを完備、医療品分野などでマストとされる要件を満たした加工環境を持つ。
PDMS(ポリジメチルシロキサン)成形や高精度の貼り合わせ加工、アッセンブリ、パッケージングまでワンストップで対応でき、短納期を実現。
打ち抜き規格±0.1mm(実力値では±0.05)対応可能
保有設備で対応可能な場合、最短当日出荷
打ち抜き加工のみならず、貼り付け・貼り合わせ・スリット・ラミネート・脱泡など幅広い加工に対応でき、取り扱い材料も多岐にわたる。
開発・試作段階から相談可能で量産試作~量産と製品開発を段階ごとにサポートでき、依頼企業の構内での製造・生産管理・設備のメンテなども受託可能。
【選定条件】
「フィルム加工メーカー」で検索し、公式サイト内で「プレス加工」「打ち抜き加工」に対応していることを明記している54社から、最短当日出荷が可能で、加工精度を明記し、さらに高機能フィルムにも対応する3社を選定。
(2022年2月9日時点)